年賀状という日本の伝統文化

日本には数多くの伝統文化がありますが、年賀状も、私たちの生活の中に根ざした伝統文化の一種だと考えて差し支えはないでしょう。
新年にハガキで挨拶を申し上げるという、実にシンプルな仕組みの年賀状は、老若男女を問わず、また、社会的な地位や経済的な差を超越した文化です。

かく言う私もまた、幼い頃より十二月には年賀状を書いて、クリスマスまでにはそれをポストに投函するのが毎年恒例の行事となっております。
ただ、ここ数年、この年賀状という制度にも、変化の波が押し寄せてきているのは私自身、ヒシヒシと感じております。

それは、たとえば近年の年賀状の発行枚数を見ても分かるとおり、毎年、減少傾向にあります。
発行枚数が減少しているということは、すなわち人気が下降気味であるということを意味しています。
実際、私の身近な友人や知人の間でも、「年賀状はあまり書かなくなったよ」とか、「歳と共に年賀状を買う枚数はどんどん減っているよ」というような話を耳にします。
中には、「今年からは、もう年賀状を書くのは止めたよ」などという極端な方さえいらっしゃいます。

このようにして衰退の兆しが見える年賀状ですが、その最も大きな原因と思われるものが、パーソナル・コンピューターや携帯電話、そしてインターネットの普及であることは間違いないでしょう。
今や年賀状を省略して年賀メールで間に合わせる若者たちも多いと聞きます。
しかし、メールでは紙のハガキの代用になるとは思えません。
少なくとも日本の伝統文化としての年賀状の精神は、メールでは受け継ぐことはできないのではないでしょうか。

また、年賀ハガキは年賀ハガキで別の問題もあると思います。
それは、パソコンによる手軽な家庭印刷の普及です。
それによって年賀状は手書きの文面が減り、味気ない印刷物が増えてしまいました。
それはまるで自宅のポストに毎日のように送られてくるダイレクト・メールの広告の類と代わらないような代物です。

もちろん私は、印刷を使用した年賀状の全てを否定するわけではありません。
手書き文字と家族写真などを効果的に用いた秀作年賀状も少なからずあるのは事実です。
しかし、年賀状全体としては、やはり印刷は暖かみの乏しい安易で機械的な、単なる通知ハガキのような印象が強くなってしまうものだと思います。

結局、年賀ハガキとは、心を込めて自分の文字で挨拶を書くのが基本だと私は思います。
そしてその伝統を、これからも大切にしたいと思っています。

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